CPO向け低コスト・小型光ファイバ接続コネクタの開発着手に関するお知らせ

2025年9月30日

CPO向け低コスト・小型光ファイバ接続コネクタの開発着手に関するお知らせ

― IOWN構想の実現に貢献する、樹脂光学技術を用いた新提案 ―

本多通信工業株式会社(本社:東京都港区東新橋一丁目9番3号、代表取締役社長:樫尾 欣司)は、次世代情報通信基盤 IOWN構想 が提唱する光電融合技術の中核デバイス “Co-Packaged Optics(CPO)”向けに、低コスト化と小型化を可能にする光ファイバ接続コネクタの開発に着手しましたので、お知らせいたします。

本開発は、半導体の性能向上と省エネルギーの両立に貢献するキーテクノロジーの普及を目的とした取り組みです。当社のコア技術である樹脂成形技術や光学設計技術を活かし、持続可能なデジタル社会の実現に貢献してまいります。

 

■ 開発の背景

生成AIの進化やIoTの普及により、世界のデータトラフィックは増加の一途をたどっています。それに伴うデータセンターの消費電力増大は、社会的な課題の一つです。この課題の解決策としてCPO技術が期待されていますが、本格的な普及のためには、性能とコストを両立する接続部品が必要となります。

当社は、先行する高コストな金属・ガラス部品を用いたアプローチに加え、量産性に優れた樹脂材料を用いることが今後の市場拡大に不可欠であると考えました。2023年度下期からシミュレーションや原理試作などの基礎検討を進め、独自の樹脂光学技術による実現可能性が確認できたことから、本年8月に正式な商品開発を開始しました。

 

■ 本開発で目指す主な特長

1. 大幅なコスト削減

独自の樹脂レンズと小型のMTフェルールを採用する構成により、高価な金属・ガラス製コネクタに比べ30%以上という大幅なコスト削減を目指します。CPO技術の普及を価格面から支援します。

2. 高密度実装に貢献する小型化

当社独自の光結合技術により、実装高の大幅な低背化や半導体チップ上の実装面積30%以上の削減といった目標を掲げ、高密度実装の実現に取り組みます。この小型化は、データセンターのTCO(総所有コスト)削減に貢献できるものと考えています。

3. 樹脂材料による高い信頼性の確保

樹脂材料の採用における熱影響や長期信頼性は、重要な技術課題です。コネクタメーカーとして長年培ってきた知見を基に、耐熱性や寸法安定性に優れた材料を選定し、厳格な評価基準に則って検証を進め、お客様が安心して採用できる品質の確立を目指します。

 

■ 今後の予定

2026年1月の「Photonics West」および同年3月の「OFC」にて、本製品のコンセプトモデルや初期評価データ等を参考展示する計画です。これらの機会を通じて、お客様やパートナー各社様との技術的な意見交換を行い、市場ニーズを的確に反映した製品開発を推進します。これらの活動を通じて製品の完成度を高め、2028年度の量産開始を目標として開発を進めてまいります。

 

本件のお問い合わせ先
 本多通信工業株式会社
 技術管理グループ 技術企画チーム  htk_gkikaku_t@htk-jp.com

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